確かに短いですよね。カッコいいのに手だけはなんだかかわいい。
なぜあんなに短いのか。そしてあの短い手で何ができたのか。
そもそもなぜあんなに短いの?
ティラノサウルスの手ですが、長さで言うと75cmほどしかありません。
体長が13mぐらいあるのに、やっぱり短すぎる気がします。
ではなぜ短いのか。
もともと恐竜はみんな四つん這い(四足歩行)の状態で生活していました。
色んな進化を遂げる中でティラノサウルスの仲間は二足歩行へと進化し、その結果前足は徐々に退化していったのです。
強靭な顎、あの巨体を支える二本の後足等、より強力に進化を遂げる部位がある一方、前足はあまり役割が無くなっていったということでしょうね。
じゃあ、何のために使っていた?
実は、かなりの短さになったとはいえ、やはり役割があったという説がいくつかあります。
その①:獲物を捕らえるときに攻撃するために使用していた説
ある学者さんの説では接近戦の際にこの手が役立っていたと考えており、長さ10㎝もの鉤爪で相手を攻撃していたのではという説を唱えています。
噛みついた状態等からでもこの手を使って攻撃すればかなりのダメージを与えられたであろうとのこと。
確かに主に接近戦で敵や獲物と戦うことが多かったんでしょうから、近づきさえすればこの長さでも十分武器になりそう。鉤爪もありましたしね。
その②:起き上がるときに使っていた説
ティラノサウルスは休む時に腹ばいの状態で休みます。
この体勢から起き上がるとき、一旦前足で体を起こしてから反動をつけて起き上がっていたのではないかという説があります。
…でも、あんな短くて小さな手で10t近くにもなる体が支えられたのでしょうか?
その③:交尾の時に使用していた説
ティラノサウルスが交尾をする際にメスをしっかりと抑えつけるために使用していたと考える説。
ただ、しっかり抑えつけちゃうと鉤爪で傷を負わせることにもなりそうだし、そもそもあの手で同じティラノサウルスを抑えこめたかはちょっと疑問が残りますね。
上記の他にも、歯に詰まった肉片を取り除くために使用したのではというつまようじ説なんかもあります。
結局、何に使っていたかはっきりしていない!
様々な説がありますが、はっきりとした使用目的はわかっていません。
個人的にはせめて攻撃に使っていてほしいところですが…
あれだけ短くなっていることですし、絶滅せず生き続けていれば手がなくなっていたかもしれませんね。